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県立高5校削減へ

神奈川新聞2022年09月30日

県教委、10校再編・統合

 県教育委員会は29日、少子化を理由に2024年度からの4年間で県立高校10校を5校に再編・統合する対象校を明らかにした。16年度からの3期12年計画の最終期に当たり、今回の5校を含めた削減数は計14校となる。県議会文教常任委員会に計画案として報告した。 (成田 洋樹) =関連記事21面に=

 統合予定の高校は、田奈(横浜市青葉区)・麻生総合(川崎市麻生区)、旭(横浜市旭区)・横浜旭陵(同)、横浜桜陽(横浜市戸塚区)・永谷(同市港南区)、藤沢清流(藤沢市)・深沢(鎌倉市)、小田原城北工業(小田原市)・大井(大井町)。
 統合後はいずれも前者の高校の敷地・施設を活用する。新校開校は田奈・麻生総合と小田原城北工業・大井が26年度、ほかの3組は27年度をそれぞれ予定している。学び直しを支援する「クリエイティブスクール」の田奈と大井は、統合後も指定は続く。
 県教委の計画では、16年度から27年度までの3期12年で142校のうち20〜30校削減する。T期(16〜19年度)とU期(20〜23年度)で各5校程度、V期(24〜27年度)で10校以上の削減を見込んでいる。
 実際にT期で5校削減、進行中のU期では4校を削減する。V期では生徒の減少幅が見込みより小さいとして、今回発表した5校削減を先行しながら段階的に行う方針。
 県教委は県内を5地区に分けて各地域の公立中学校卒業予定赦の推移などを考慮しながら計画を進めている。T〜V期に削減対象となった14校の地域別内訳は「横須賀三浦・湘南」と「横浜南西」で各4校、「県央・相模原」3校、「中・県西」2校、「横浜北東・川崎」1校。
 夜間定時制については、志願者数減を理由に18校のうち6校(横浜翠嵐、向の岡工業、磯子工業、茅ヶ崎、秦野総合、伊勢原)の募集を26年度から停止する。
 知的障害のある生徒らを受け入れるインクルーシブ教育実践推進校(14校)については、24年度入学者から4校(白山、菅、保土ヶ谷、横浜南陵)を追加する。
 また、二俣川看護福祉(看護、福祉科)の看護科を25年度に普通科に改編。横浜翠嵐定時制の募集停止に伴い、26年度から神奈川工業定時制に普通科を新設、神奈川総合産業定時制の総合学科を普通科に改編する。
 再編後の学科編成などは次の通り。
田奈・麻生総合  単位制総合学科 (クリエイティブスクール) 
  旭・横浜旭陵  学年制普通科  
  横浜桜陽・永谷  単位制普通科  
  藤沢清流・深沢  単位制普通科  
   小田原城北工業・大井  学年制普通科・工業科 (クリエイティブスクール) 

県立高再編

4校が2度目 広がる波紋
定時制減にも疑問 

 県立高校の再編・統合を巡り、新たに対象となった10校のうち4校が2度目の再編・統合となった。定時制6校の募集停止も示され、波紋が広がった。=本記1面に=

 4校は麻生総合、横浜旭陵、横浜桜陽、藤沢清流。麻生総合は2004年度に柿生西と柿生が統合し開校。横浜旭陵も同年度に都岡と中沢の統合で新設された。横浜桜陽は03年度に汲沢と豊田の統合で設置され、藤沢清流は10年度に大清水と藤沢が統合し開校した。
 このうち麻生総合と横浜旭陵の2校が今回の統合によって敷地・校舎が使われない「非活用校」となる。ある県立高校教諭は「いったん再編された学校が再び対象となるのは、学校の継続性という意味でよくない。卒業生や在校生も違和感を覚えるだろう」と指摘した。
 横浜翠嵐など定時制6校の募集停止については、花田忠雄教育長は29日の県議会文教常任委員会で「定時制志願者数が減少傾向にある中で現状維持は難しい。生徒数の動向によっては募集を再開する可能性もあるが、閉じる方向」との考え方を示した。
 県内の定時制高校の関係者は「横浜翠嵐は外国につながる生徒の支援に力を入れてきた実績があり、必要とする生徒がいる。なぜなくそうとするのか理解に苦しむ」と疑問視した。 (成田 洋樹)