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教員試験 5月実施要請へ

神奈川新聞2024年04月26日

文科省 25年度、前倒しで人材確保

 文部科学省が、2024年度は6月16日を標準日としている公立小中高校の教員採用試験について、25年度はさらに1カ月ほど前倒しし、5月11日を1次試験の標準とするよう都道府県・政令指定都市教育委員会に要請することが25日、分かった。26日に通知する。教員のなり手不足は深刻で、早期化する民間企業の採用に対抗して人材を確保する狙いがある。
 ただ前倒しには教員養成大学のカリキュラム変更や、5〜6月のケースが多い教育実習の時期見直しなどが必要となるため、学生や関係機関の負担も懸念される。
 文科省によると、従来は大学4年時の7〜8月に試験を行い、9〜10月に合格発表する自治体が多かった。だが、大手企業の多くは6月までに内々定を出しており、文科省は昨年5月、24年度実施の試験は従来より1カ月程度日程を早め6月とする方針を示して各教委に協力を要請。今年は過半数の教委が、標準日の6月16日かそれ以前に試験を行うという。
 文科省は、採用倍率の低迷を食い止めるためにはさらなる日程の繰り上げが必要と判断。25年度は5月11日を目安にできるだけ前倒しで試験を設定するよう求め、この日に実施できる教委には小学校教員用の試験問題を提供する。
 盛山正仁文科相はこれまで、前倒しについて「他職種に流れていた人たちに受験に向かってもらう流れができるのではないか」と発言。学生が柔軟に教育実習を履修できるよう、教職課程の在り方の見直しも必要だとしていた。
 22年度実施の公立小学校教員採用試験の競争率(倍率)は2・3倍となり、5年連続で過去最低だった。中高などを含めた教員全体でも3・4倍で、最も低かった。