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観光産業どう教える

神奈川新聞2024年05月28日

厚木王子高で講演会
「ビジネス」科目 商業科設置校
教師ら意義学ぶ

 商業科のある高校で本年度から「観光ビジネス」の科目を設置する動きが広がる中、県高等学校教科研究会商業部会は、県立厚木王子高校(厚木市王子)で観光ビジネスに詳しい宍戸学・日本大学国際関係学部教授による講演会を開いた。県内の商業科設置校の教師ら約60人が参加し、インバウンド(訪日客)の急速な回復で活気づく観光ビジネス分野を高校生にどのように教えるかを実践的に考えた。(石本 健二)。

 観光ビジネスは学習指導要領の改定により2022年度から商業科のある高校で科目として新設できるようになったが、厚木王子高の宗方泰司校長によると、設置が広がり始めたのは本年度から。同校でも本年度から設置したものの、新しい科目だけに
どのように教えたらよいか教師側に悩みがあるという。
 今月16日に行われた講演会で宍戸教授は、観光に力を入れるオーストラリアなどの取り組みを自らが視察した際の動画も交えて紹介した上で、「神奈川県も横浜、三浦、湘南の海、山や温泉など観光資源が豊富。横須賀の猿島は、かつては『知る人ぞ知る』といったスポットだったが、今はカップルがたくさん訪れる。横須賀の軍港巡りも予約が埋まる人気ぶり」と近年の観光地の変貌を説明した。
 また、「人口減少で国内需要が減る中で、インバウンドの経済的インパクトは大きい。観光は『見えざる貿易』た゜」と指摘。「高校生が将来、観光分野で働くといったことだけでなく、観光ビジネスを地域の産業としてどのような位置付けるかが重要。観光によって幸せになるとこが必要で、そこに観光教育の意義がある」などと話した。
 聴講した教師は「私も観光ビジネスを担当しており、早く授業をしていきたい。とても参考になった」と話し、別の教師は「人口減でどうしたらよいかといったヒントが観光ビジネスにはある。ただ、その部分を生徒に理解してもらうのは難しい」と話していた。