県内公立高校の2025年度入試で、全日制の募集定員が前年度より550人減る見通しになった。県内私学は50人減となる見込みで、ともに公立中学校の3年生が約750人減少することなどに伴う。公立中卒業者のうち全日制高校に進学した割合を示す「全日制進学率」は、3年連続で90%台を割る中、25年度も90%台に乗せる目標値を設定した。 (成田洋樹)
県教育委員会によると、公立中卒業予定者は6万6307人。県教委と県私立中学高校協会の実務者らでつくる「県公私立高校協議会」が29日開かれ、募集定員は公立が3万9300人、私学が1万4900人を目標にするとした。9月5日開催の「県公私立高校設置者会議」で正式に決まる。
27年度には県立高校3組(旭・横浜旭陵、横浜桜陽・永谷、藤沢清流・深沢)が統合するのに伴い、25年度入試では横浜旭陵、永谷、深沢の3校が募集を停止する。これにより計630人分の枠が減るが、全日制進学率90%の実現に向けて全体の定員の減少幅を抑制したという。
24年度入試では、公立中卒業予定者が約千人減る見込みだったため、全日制の目標定員は公立で900人減の3万9850人、私立で50人減の1万4950人と決めた。実績では、公立は定員割れの学校があったことなどから目標に717人届かず、私立は約380人下回った。
その影響で、24年度の全日制進学率は、前年度比1・1ポイント減の88・2%となった。内訳(県外高校進学者らを除く)は、県内公立が0・4ポイント減の58・4%、県内私立が0・4ポイント減の21・7%だった。
一方、通信制は1・0ポイント増の7・3%と上昇が続いている。不登校生徒らの「受け皿」として自分のペースで学べる通信制への進学者が増えており、都道府県をまたいで募集する私立広域通信制高校の存在感が増している。定時制は0・2ポイント増の2・0%だった。
25年度入試で公私双方が目標を達成すれば、全日制進学率は90・0%になる見込み。ただ、全日制の希望者自体が2年連続で90%台を割っており、達成の見通しは立ってない。