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河川研究 10年の成果

神奈川新聞2025年8月27日

生田高科学部、米アラスカ大で報告
現役生「認められ誇らしい」

 県立生田高校(川崎市多摩区)科学部の生徒5人らが今夏、米アラスカ大で開かれた「GLOBE(グローブ)国際会議」で登壇し、10年に及ぶ研究の成果を報告した。テーマは「河川における植物の光合成と窒素の関係」。歴代の部員らが積み上げ、受け継がれたデータを分析し、世界に向けてお披露目した。 (荻野 功輝)

 グローブは、米航空宇宙局(NASA)が主導した国際プログラムで、収集した情報を学校に提供し、活用してもらう。環境意識の啓発や理数教育を目的に、河川や山岳を観測したり情報交換したりする。同校は環境教育の一層の推進を図る「GLOBE指定校」に2015年から選ばれており、グローブのホームページ(HP)から閲覧できるデータを駆使して、近くを流れる平瀬川の水質調査などの研究を続けてきた。
 今回は過去10年の平瀬川の水質データと世界約20カ国、約100地点の河川データを比較した「地域河川・平瀬川の水質調査に関する研究」の論文が、グローブ本部にく評価され、同会議で登壇する機会を得た。部長の亀山紘一さん(16)は「先輩方が積み上げてきたデータと自分たちの研究が認められて誇らしかった」と胸を張る。
 7月13〜20日に渡航してアラスカ大を訪れた5人の部員は、英語で研究の成果を発表した。川幅が狭くなるにつれて窒素濃度が高いこと、アスファルトや人工的な排熱で都市部の気温が周辺地域より高くなる「ヒートアイランド現象」が要因で、都市部の水温が高いことを説明。平瀬川を含めた世界の河川の窒素濃度や水温は上昇傾向にあるとし、「光合成によって窒素を吸収する植物が、河川から消えていることが原因だ」と締めくくった。
 副部長の田根和樹さん(17)は「寄せられる質問に英語で答えることが難しかった」と振り返る。部員の白戸恵輔さん(17)は「研究者」としての今後を見据える。「河川における『光合成』について学びを深めていきたい。環境問題を解決することにつながればうれしい」と笑顔を見せた。



 米国への渡航に際し、航空機代や宿泊費などの費用が懸念されたが、同校のOBがクラウドファンディング(CF)を実施し、資金を募った。計226人から約160万円が集まり、現地での研究報告ず実現された。CFを主導した加藤大さん(54)は「生徒たちが積み重ねてきた研究を、世界に発信する機会を手助けできたことがうれしい。今後も科学部の活動を応援していきたい」とほほ笑んだ。