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委員長挨拶

神高教第83回定期大会
執行委員長あいさつ

 みなさんこんにちは。執行委員長の佐藤治です。神高教執行委員会を代表して、定期大会開会にあたり、ひとことご挨拶申し上げます。
 学校現場が大変忙しい中にあって、第83回神高教定期大会に結集された代議員の皆さん、大変ご苦労様です。また、神奈川県武井副知事、日教組瀧本委員長をはじめとした来賓のみなさん、私たちのために駆けつけてくださったこと、そして日頃より大変お世話になっておりますことに対して、感謝を申し上げます。ありがとうございます。

 私が委員長に就任して以来、来賓のみなさんをお招きしての定期大会は初めてとなります。ご承知の通り、この5月8日に新型コロナの扱いが5類に引き下げられ、日常生活が戻りつつある一方で、第9波とも言われる感染拡大が懸念されています。学校においても対応に苦慮している状況下と察します。

 さて、学校の多忙化が叫ばれて久しくなりました。文科省は4月28日に昨秋に行った勤務実態調査の速報値を発表しました。超過勤務の実態は若干減ったとされる一方で、持ち帰り仕事が増えていることもあり、「働き方改革」は実感を伴ったものとはなっていません。学校の多忙の実態や教員のなり手不足が報道される中で、中教審は特別部会の議論をスタートしました。また、自民党の特命委員会は教職調整額の10%以上への増額などを含む処遇改善案を示しています。しかし、教職員の処遇改善は必要であるとしても、こうした措置では多忙化の実態を変えることにはなりません。改めて、「学校の働き方改革」を進めるためには、(1)業務の削減、(2)人員増すなわち定数の改善、(3)給特法の廃止または抜本改正、この3つを柱としたとりくみが必要であることを確認したいと思います。
 6月18日、日教組に結集する神奈川の教職員組合の共催で、この場所を会場としてシンポジウムを開催しました。今後も世論を巻き込んだ学校の働き方改革を進める取り組みを進めていきたいと思います。

 ロシアによるウクライナ侵攻から1年4ヶ月以上が経過をしていますが、解決への道は全く見えない状況です。一方で日本国内では、米中対立や台湾問題を背景に脅威をあおり、軍事力増強や憲法改正を急ごうとする動きが加速しています。
 タレントのタモリは、昨年末のテレビ番組の中で、黒柳徹子に「来年はどんな年になりますかね」と問われ、「新しい戦前になるんじゃないですかね」と答えました。今改めて、「戦前とは」、「戦後とは」何だったのかを問い直すことも必要ではないかと思います。私は政治経済の教員ですので、戦後の経済改革を例にとりたいと思います。戦前は寄生地主制のもとで国内需要が抑制され、財閥が海外市場を求めて軍部と結びついて海外侵略を行いました。戦後の3大経済改革、すなわち「財閥解体」「農地改革」「労働組合の育成」はこうした轍を再び踏まないための方策でもありました。この中で労働組合には利益を求める企業のブレーキ役としての役割も求められました。今を「新しい戦前」にしないためになすべきことも考えていきたいと思います。

 2006年以降約400人の採用が続いています。現在までのところ、本年度の新採用者の加入は約180人となっています。この間の各分会のご努力に重ねて感謝します。教職員の勤務労働条件や教育条件の整備のためには組織の維持拡大は何よりも重要です。ひきつづきのご理解ご協力をお願いしたいと思います。

 昨年の参議院選挙において日教組は比例区に古賀ちかげさんを組織内候補として擁立し、当選することができました。今日来賓としておいでいただいています。また、来年の参議員選挙の組織内候補として現職の水岡俊一さんの擁立を組織決定しています。働き方改革など教職員の課題が多いなかで、日教組課題を政治の場で実現することが重要になっています。

 昨年同様、時間的にも短縮した大会となりましたが、その中にあっても現場実態に根ざした活発な討議をお願いし、執行委員会を代表してのあいさつとします。どうぞ、よろしくお願いします。

2023年7月8日

執行委員長 佐藤 治