はじめに
神奈川県教育委員会は、昨年(2000年)6月、教職員に関する人事評価について教職員人事制度研究会(以下「研究会」)へ検討を依頼した。これを受けた同研究会は、2000年12月25日、「人材育成及び能力開発を目指した人事評価のあり方について」(以下「あり方」)と題する中間報告をまとめ、各教育関係諸団体へ送付した。同研究会は、2001年秋を目途に最終報告を行う予定で、現在、教職員の人事評価の方法を検討中である。このレポートでは、東京都教育委員会における「人事考課」、神奈川県一般行政職で試行されている「新たな人事評価システム」を参考に「研究会」の発表した「あり方」にみられる教職員の人事評価について検証を試みる。
<求められる教員像> 教育者としての使命感や教育への熱意、実践的指導力などとともに、社会の動きに敏感に反応し、地域社会との連携、協力関係を構築しながら児童・生徒の豊かな成長を支援していくことができる資質・能力を持ち、校長を中心に有機的、組織的に連携、協働し、教育力を高めながら教育活動を展開し、学校を活性化していく者 |
<教員・学校のあり方について>
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<現行勤務評定について>
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<人事評価のねらい>
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<評価の対象>
目標管理手法
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評 語 |
S 特に優れている | A 優れている | B 普 通 | C やや劣る | D 劣 る |
評 語 の 理 解 |
当該要素について、優れているもののうち、特にそれが顕著な水準である。 | 当該要素に優れており、職務を円滑に遂行することのできる水準である。 | 当該要素について、期待し、要求した水準をほぼ充たし、職務を遂行できる水準である。 | 当該要素についてやや劣る部分や問題点があり、職務遂行に時には支障をきたすことがある水準である。 | 当該要素について劣る部分や、問題点が顕著であり、職務遂行に頻繁に支障をきたすことがある水準である。 |
(1) こんなことが段階評価される
着眼点 | 着眼点の例 | |
能 力 |
意義や背景の理解、児童・生徒理解、応対・折衝力、校務処理、企画力、学級経営案作成 |
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情 意 |
経営参加意欲、責任感、協調性、情報収集、家庭との連携、研修意欲、公平な姿勢・態度 |
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実 績 |
学級経営案の実施・評価、教室環境の確保、渉外、広報の成果、分掌の成果、教育目標の達成 |
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